本年度から人文学部人間科学科に、「特別支援学校教諭一種免許状(肢体不自由、知的障害、病弱)」課程が認可され開設されました。
この免許状取得に関わって、いくつか留意点があります。ひとつは、この免許状は各学部?学科で取得可能な免許(たとえば高校地歴?公民や商業?英語等、これを「基礎免許」といいます)をとることを前提にして、取得可能となることです。したがって、二つ目には、すべての学部?学科の教職課程履修登録者が、その基礎免許のうえに本免許状が取得可能になる道が開けているということになります。これは、ご存知のように2007年度から開始された「特別支援教育」が、特別支援学校のみならず「通常学校?学級」において、「軽度発達障害児(学習障害や高機能自閉症児など)」をも学習?教育の対象として取り組み始めたこととも関係しています。つまり、どんな免許教科の先生でも、自分の通常学校のクラスに「発達障害児」を抱え対応することが必須になったことを意味しているからです。さらに三つ目に、視覚障害と聴覚障害の特別支援学校を除いて、特別支援学校(肢体不自由、知的障害、病弱)で働きたい場合、北海道?札幌市の教員採用試験においては、本免許状を有していないと、そもそも採用試験を受けることができなくなっていることです。つまり、特別支援学校(肢体不自由、知的障害、病弱)で働きたい場合に、欠かせない免許状になっているのです。
さてすべての学部?学科のみなさんが、基礎免許に取り組みつつ、本免許状に挑戦することは、基礎免許の実習とは別に「特別支援教育実習」に行かなければならないことを含めて、かなりの努力が求められることでしょう。けれども、先ほど述べたように、いまやどの免許教科の先生でも、「特別支援教育」は共通知識として求められる状況になっているのです。卒業要件である専門科目としても単位が認められ比較的負担の軽い「人間科学科」の学生をはじめとして、ぜひとも多くの学生がチャレンジされることを期待しています。
(教職課程委員長 富田充保)