新田ゼミ(専門ゼミナールB?3年後期)が毎年行っている地域住民のみなさんとの交流企画、今年は「在线麻将平台_打麻将平台-app下載生と語り合う二十歳(はたち)の頃」と題し、11月15日(金)に本学にて実施しました。60代から80代まで、幅広い年代の文京台地域住民の方々21名がお集まりくださり、現在ほぼ20歳の3年生12名にそれぞれの「二十歳の頃」について熱く語ってくださいました。
新田ゼミでは今年度、年間を通して「生活史を聞く」ということについて学んでいます。高度経済成長期の日本について文献で理解を深めたり、インタビューの方法や心構えについての入門書を読んだり、身近な年配者(祖父母や両親など)への聞き書きを行って生活史調査の基礎を習得したうえで、今回の企画に臨んだのです。その成果が存分に発揮され、参加者の皆さんは本当に良い表情で、今となってはあまり話す機会のないような、学生時代の話、社会人になりたての頃の話などをいきいきと、時間いっぱいお話しくださいました。 「百円札」を数える練習をした話、手で一玉ずつはじくパチンコの話、電話交換手の仕事のことなど、まったく初めて聞く内容もたくさんあり、学生にとっても大変興味深いお話ばかりでした。
個人的な内容も含まれますので、その場で全体で共有したり、語りそのものを報告書にしてまとめるようなことはしません。新田先生が「本日のグランドルール」として最初に示した「自己開示」と「守秘義務」を互いに意識しながら、安心できる雰囲気のなかで語り合えたことも一つの成果と言えるでしょう。
聞き書きの後はG館8階ラウンジに移動して、一緒にお弁当をいただきました。そこでも会話が弾み、いつまでも昼食が終わらない方もおられました。閉会のあいさつでは自治会長から「孫はいてもこんな話をすることはほとんどない。今日はとても楽しかった。ぜひまた来年も!」というお言葉をいただきました。
なんでもない話でも、「目の前の大人にも若い頃があったんだ」「そのころの社会は今とは全然違うけれど、若者の悩みは同じだ」など、学生は興味を持って耳をかたむけていました。
本来であれば日常生活のなかで意識的?無意識的に存在するはずのそうした場が、今日の社会においては極めてまれなものになりつつあります。大学と地域との連携を考えるとき、私的な関係においては失われつつあるそうした機会を大学教育プログラムのなかに設けて、学生と地域住民が互いに語り合うことが、大げさに言えば文化?歴史の創出という価値をもたらすのではないでしょうか。今日はその最初の試みです。