公認心理師と臨床心理士のカリキュラムにおいて、学内に設置されている心理臨床センターでの実習は大きな役割を占めている。本学の心理臨床活動の歴史は、本学の前身、札幌商科大学時代の1980年に心理?教育相談室を開設したことから始まっている。本学心理臨床センターの歩みは、本研究科が開設される5年ほど前の1995年から研究教育施設として開設され、1998年には地域からの要請に応えて心理臨床活動を開始し、2000年の本研究科開設に伴い学部付属から大学付属の心理臨床センターへと変更された。2022年度の新札幌キャンパスへの移転を契機に、様々な近隣機関(苫小牧工業高等専門学校、札幌市厚別区介護予防センター、北海道大学教育学院等)と連携を強化し、思春期や高齢者に特化したグループプログラムおよびアセスメント実習が充実している。現在は年間1,000回ほどのケース(個人?グループ)に対応しており、大学院生は様々なケースに触れ臨床実践を積んでいる。また近隣の心理専門職養成大学院との合同事例検討会、修了生と在校生を対象とした拡大事例検討会、専門家向けの研修会や市民講座等、研修機会も豊富である。更に大学院修了後も研修員として引き続き研修を受けるシステムも整っている。 教員のみならず、熟練した心理臨床センタースタッフ(室員)、礎を築いた諸先輩方、そして地域の皆様に支えられ、大学院生は心理の専門家になるべく、自らの心も育てられている。